勉強会「原典を読もう」に参加して

SPSC事務局 林 道夫

スヴェーデンボリの神学著作は、すべてがラテン語で記述されています。その原典勉強会「原典を読もう」が7月5日に開かれました。

この講座は、ジェネラルチャーチ東京の礼拝と交流会の後、同じ会場で、SPSCの主催で行なわれた企画であり、礼拝後、そのまま残って参加した人だけでなく、この講座のみの受講者も含めて、参加者は7名でした(鈴木講師も含む)。

ラテン語の勉強会というと何か堅苦しく、難しそうな集まりではないかと思われるかもしれませんが、講師の気取らない人柄と経験豊かな教員経験から、そのような印象とはまったく異なる、和気あいあいとした楽しい雰囲気の中で終始しました。

講義の概要については、受講者に配布されたレジュメ(勉強会の資料)を参照していただくこととして、ここではふれません(会報の付録として同封しました)。この勉強会に参加して、強く印象に残ったことを中心にお伝えします。

私は、かつてアルカナ出版の長島さんから、毎週1回、2年間にわたって個人的にラテン語の手ほどきを受けていました(当時、長島さんは東京で語学学校を経営されており、そこに特別に教室を設けてもらいました)。その後、独学でもラテン語を学び続けてきたので、基本的な知識はありましたが、この勉強会をきっかけに、さらに真剣に原典と取り組んでみたいという思いをかき立てられました。

二十数年にわたって独学で、スヴェーデンボリのラテン語をコツコツと学んできた講師の学習経験と、の翻訳活動の実績から語られる説得力のある証言から、他の受講者も、多くの有用な示唆を受けたことと思います。

ラテン語は日本人にとっては、あまり馴染みのない言語であり、しかもスヴェーデンボリの原典に特化したラテン語講座を開催することにどんな意味があるのかと疑問に思う人もいるかもしれません。

鈴木講師が講座の中でふれた「ラテン語に由来する英単語なども多いため、その知識を活用できるし、発音の練習に時間を割く必要がない。スヴェーデンボリのラテン語は曖昧さのない、論理的な構成となっている」といった話題は、そのような戸惑いを払拭する上で、役立つでしょう。つまり、ラテン語は、決してとっつきにくい言語ではなく、むしろ独学に適した言語であり、それほど敷居は高くないということです。

著作をより深く学びたい、そのために原典で読みたいという強い思いさえあれば、だれでも対訳書と辞書をたよりに、独学でも原典に親しめるようになると講師は強調していました。

ラテン語の原文と和訳をじっくりと眺めることから始めて、細かい部分はわからなくてもよい。その過程で、気になったこと、ひっかかった何かを調べたり、熟考するという作業を繰り返していくうちに、ぼんやりとしていた輪郭が、少しずつハッキリしてくる。そのように語る講師の言葉は、ラテン語にかぎらず、ある程度の期間、継続的に外国語を学んできた人たちも実感されていることでしょう。

原文にこめられている真意を少しでも深く理解したいという思いで、全力を傾ける時間は、決してムダにはなりません。

私もその学習過程で、ほんの数行の原文を理解するために、数時間かけても結局、あまりわからなかったというような経験が何度もありました。それで、自分は頭が悪い、才能がないのではないか、ムダな労力を費やしているのではないかと途方に暮れたりもしました。しかし、それほどの時間、集中して、いろいろと調べたり、思いをめぐらせるという作業は、むしろ楽しい、有意義な時間だったと今になって実感しています。

その昔、どうしてもわからなかったことが今では簡単に分かるという不思議な感覚をたびたび味わっています。即席ではなく、長い時間や経験を経なければ、理解できないものもあるのかもしれません。

大切なことは、すぐにあきらめず、鈴木講師のように一途に、長い時間をかけて取り組むことだと思います。

適切な指導者がいて、このような原典の学びと交流の場があれば、学習を始めるきっかけとなり、さらにそれを継続していくうえでも、大きな励みとなります。そして、ひとりでも多く、原典に親しみ、その息吹や深い味わいに触れてもらえればと願っています。

私がラテン語原典を学び始めたのは35年前のことでした。その当初は、スヴェーデンボリのラテン語を学ぶための日本語資料も教材もなく、どうやって学んだらいいか戸惑ったものでした。しかし、今ではこうして対訳書やレキシコン(辞書)が出版されたり、このように原典の勉強会が行われるようになりました。ラテン語原典を学ぶための環境が整いつつあることに格別の感慨をおぼえています。

SPSCの運営者の一人として、これからも対訳書をはじめとして、ラテン語原典を読むために役立つものや企画をいろいろと提供していきたいと思っています。

また、こうして、多くの方々と共に、スヴェーデンボリの神学著作を原典を囲み、楽しく有益な時間が過ごせるようにと願っています。

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